昔、深く印象に残っている夢の話をしたい。
夢の脚本とはいったい誰が作成しているのか、当時本当に頭を抱えたものなのだ。
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バスに乗車した。
運賃を小銭で支払うと、運転手さんはベテランのにこやかで、親しみの深そうな人だった。
座席に座ることが出来た。乗客たちもそれなりで、ゆったりとした空間だ。
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しばらくして、バスの運転手さんは饒舌に語りだした。
「20年間、運転手としてやってきました。今日が退職日となります。」
「私の最後の運転となります。本日はご乗車頂き、誠にありがとうございました。」
乗客の皆も大いに感動し、その場に立ち会ったことにほっこりしたのだった。
自分も、意外な場面に遭遇したものだと、思わず顔がほころんでしまった。
ところが、バスは目標である路線図を外れ、港湾へと走り出し、乗客たちは動揺をし始めた。
「一体、どうしたというんだ。」
なんだなんだ、と車中は緊張で包まれた。自分も不安に包まれていった。これはもしかすると……
バスは埠頭から猛スピードで海に向かって一直線。
最後の運転とは、つまり「乗客を道連れに腹切りダイブ」こういう事だったのだ。
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私は夢から即座に目を覚ました。
そして頭を抱えた。おかしい、と。自分の頭はどうかしているのではないかと、苦悩した。
メンヘラというのはやはり頭がおかしいのではないか。
脚本家でもいない限り、こんなシナリオ思い浮かばないだろう。頭の中に給料も支払っていないのにディレクターがいるのだ。
実はもっと怖い夢があるのだが、本当に怖いのでお話にできないのだ。
メンヘラはおかしい。自分で自分が分からないからだ。